専門知識がある人が無い人を見るときの態度。

基本的に正論は有効だが、時として相手を切り刻む事がある。
それが世間多数の見方を変えてしまい、味方を減らしてしまう事にどうして気付かないのだろう。

例えば、今回の光市事件の判決。
世間一般の見方は弁護団の法廷戦術のおかしさ。それは今枝弁護士が弁護団から外された時に頂点に達した。私も『素人として』弁護団の動きには違和感を覚えていたし、それは今枝氏にも同様だった。だが、
http://d.hatena.ne.jp/muffdiving/20080423/1208884876
の下段にある今枝氏のブログの通り、今枝氏はどうやら弁護団の中では『異質』だったようだ。『異質』は排除されてしかるべきだったのだろう。そうしなければ、弁護団の統一した方針の下動く事が出来ないからなのだろうが。

そしてその弁護団の言葉が何故これほど心に響かないのか?
弁護団に同調する人はマスコミや世論に煽動されたと言うだろう。その点は否定できない(それは自分も含め)が、本当にそれだけだったのだろうか?やっぱり地裁レベルから、この少年の態度には違和感や怒りを持っていて、それがこの弁護団が就任しその後の流れでさらに増幅した点もあっただろう。果たして本当にこの判決は世論に迎合しているモノなのか。これまでの流れからすれば、この判決は至極普通なのではないか?

そして、判決後の朝日記者の質問。
質問自体はいいだろう。だが物事にはTPOがあるのを忘れてはいないか? そのような質問をするに判決後の記者会見の場は妥当だったのかという疑問はある。幸いにして本村さんはそれに対しても自分の考えを持っていたようなので事無きを得たが。朝日ならAERAあたりに譲っても良かったように思う。


これが今の考え。
素人考えだが、素人の考えを『完全に』斬り捨てる事が得策ではない。もちろん『完全に』迎合してもならない。しかし、司法と国民がこの先裁判員制度を通じてますます接近していくなかで、今回の弁護団の動きは接近を敵対に変えてしまわないか心配だ。