日本人の難点

日本人には当事者意識が薄いように思える。

例え話

『朝の通勤ラッシュの時間に、その路線で飛び込み自殺が起こりました』

こういう状況が起こった場合に、

『自殺するんだったら他のところでやれよ』

という発言をする人がいる。この発言は割とよく聞かれる言葉で言う方も結構軽い気持ちで言っているのだが、よく考えればとんでもなく他人事で酷い発言である。確かに自殺した人間の経緯などは知りようが無いし、自分の通勤も邪魔されて朝から躓いた気分になるのは否めない。
現在、日本の年間の自殺者は3万人を超える。背景などは諸々あるだろうが、今一番多く自殺している年齢層は若年層である。これからバリバリ働いて国に納税をしていく人間が次々と自発的に命を絶っているのだ。この事実を知っている人は多くてもそれに具体的な感想が持てず、上記のような発言を繰り返すのだ。そういう人が死ぬ事によって、国にとっては3万人分の所得税などの税収が減る事になる。法人税その他諸々に比べれば微々たる額かもしれないが、それが数年続けば大きな額になり得るのだ。もっとも国は自殺者対策といっても大した対策をしていない以上、まだ余力があるのかとも思ってしまうのだが。また国民にしても現在の社会保障制度は基本的に助け合いを前提に作られている。年金は現役世代の納付を引退した世代が貰う構造になっている。となれば、そのように自殺者が増える事はそのような制度での一人にかかる負担が大きくなっていく。現在、財源の確保で民主党は躍起になっているが、それが出来なかった場合跳ね返りは国民に向かう事になる。
ここまで考えてなお上記の発言をするのなら私は止めないが、自己責任という名の思考停止(ワープア諸々)など、最近とみにそういう状況に出会う事が多く感じたのでこのエントリーを上げる。というか上記な考えって絶対に健全ではないよな。